インドの総合格闘技団体「Super Fight League」が新構想! フランチャイズ制のリーグ戦形式で興行を開催
2016年12月23日 コラム チーム/リーグ経営 Written by 川内 イオ
総合格闘技がメジャーな地域といえばアメリカや欧州、そして日本が思い浮かぶが、今、注目を集めているのはインドの総合格闘技団体「Super Fight League(スーパー・ファイト・リーグ/SFL)」だ。
SFLは、イギリス国籍のインド人プロモーター、ラジ・クンドラとインドのアクションスター、サンジャイ・ダットが共同オーナーとして立ち上げた団体で、2012年3月11日、インド・ムンバイで旗揚げ興行が行われた。
その後、インド、アメリカ、UAE、カナダで興行を行っていたが、2015年にボクシングの元WBA・IBF世界スーパーライト級スーパー王者のアミール・カーン氏と、インド生まれのイギリス人ビジネスマン、ビル・ドサンジ氏が経営に加わった。
なぜ今、SFLが脚光を浴びているのかというと、2017年1月20日から2月25日まで、フランチャイズ制のリーグ戦形式で興行が行われると発表されたからだ。
新リーグ開幕に向けて組織されたのは、96人の選手が参加する8つのチーム。アマチュアの格闘家に門戸を開いているのも特徴で、全インド総合格闘技協会(AIMMAA)の協力を得て、各地で選手を集めるための格闘技イベントを行い、地域の強者をスカウトしている。
各チームには12人の選手が所属し、試合に出場するのはそれぞれ階級が異なる5人の男性ファイターと1人の女性ファイター(残りの6人はバックアップ要員)。ポイントは、ノックアウト勝利6点、ギブアップ勝利5点など細かく分かれており、勝利数だけでなく、勝ち方によってポイントが変わってくる。
リーグ戦は各4チームのAグループ、Bグループに分かれて開催され、各グループの成績上位2チームが、準決勝に進出する。リーグ戦は期間中の金、土、日に開催され、テレビのライブ中継は19時から21時となる。
インドメディアのIndia.comによると、1月から始まる新興行の放映権を獲得したのが、ソニー・ピクチャーズ・ネットワークス・インディア(SPNI)で、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、ブータン、アフガニスタン、モルディブでも放送される。
ドサンジ氏は、SFLの世界展開をもくろんでおり、2017年にアメリカでも同様の形式でリーグ戦を開催。さらに、イギリス、フィリピン、中国、サウジアラビア、UAE、ブラジルに拡大し、その後、8つの国の優勝チームが一堂に会する「総合格闘技ワールドカップ」の開催を目指すという。
格闘技ファンにとっては興味深い試みだろう。ドサンジ氏の構想には日本が含まれていないようだが、ぜひ日本でも開催してもらいたい。
【了】
川内イオ●文 text by Io Kawauchi
1979年生まれ。大学卒業後の2002年、 新卒で広告代理店に就職するも9カ月で退職し、2003年よりフリーライターとして活動開始。2006年にバルセロナに移住し、主にスペインサッカーを取材。2010年に帰国後、デジタルサッカー誌、ビジネス誌の編集部を経て現在フリーランスの構成作家、エディター&ライター&イベントコーディネーター。 ジャンルを問わず「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活動している。
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